TOCFL(華語文能力測験)流利級に合格したときの勉強法

中国語、特に台湾華語を勉強中のみなさま、こんにちは。台湾華語を勉強中のAyaです。

今回は、私がTOCFL(華語文能力測験)の流利級に合格したときの体験をシェアします。これから受験される方の参考になると幸いです。

まず、私が流利級に合格できたのは、台湾の言語センター(大学付属の華語中心)に通っていたことが大きいです。言語センターで勉強した最終学期になんとか流利級に合格できました。つまり、私が流利級に合格できたのはひとえに語学センターの先生たちのおかげです。このことを前提として読んでいただければと思います。

ちなみに、進階級に合格したときの話はこちらです。

http://lingzi813.xsrv.jp/tocfl/

1、使用したテキスト類

文法対策

私は語学センターで『當代中文』を使って勉強してきました。台湾の華語センターでは 『當代中文』 か『視聽華語』のどちらかのテキストを使用しているところが多く、TOCFLを作成している国家華語測験推動工作委員会もこれらテキストを基本として作成していると思われます。なので、TOCFLの文法(語法)に関しては 『當代中文』など基本のテキストをしっかりやり込むことで対応できるかと思います。

流利級に合格したときは 『當代中文』 5冊目を勉強していました。(ベトナム人のクラスメートも5冊目の途中で合格してましたので、なのでテスト対策としては必ずしも6冊目までいかなくてもいいかも・・・?)


テストを解いている間もこの文法(語法)・単語は、この前授業で出てきたなあということがありました。

TOCFL対策とは関係ないですが、台湾で日常生活を送っていたり、私の推し(盧廣仲/クラウド・ルー)のライブを見ていても、あ、この単語、先生が授業中に教えてくれたということがしばしばあります。なので、『當代中文』や『視聽華語』について批判する声(普段使わない表現があるなど・・・)もあるようですが、なんだかんだ良くできているのではないかと思っています。

さらに脱線しますが、『當代中文』の4冊目ぐらいでわりと言いたいことが言えるようになる、クラスメートとのおしゃべりもわりとスムーズにできるようになった気がします。『當代中文』や『視聽華語』に掲載されている文法や語法、単語が分かるようになる、使いこなせるようになると、普通に台湾で生活できるようになって、台湾の方ともコミュニケーションが取れるようになります。語学センターの先生たちが 『當代中文』などをうまく使って教えてくださっている、とも言えますね。


語彙対策

流利級合格の目安となる語彙数は8,000語。下の高階級が5,000語ですので1.5倍以上です。まず 『當代中文』 などの基本のテキストに出てくる単語だけではたぶん足りず、特に四文字熟語、故事成語(成語)、慣用句(歇後語・俗語)対策が必要になるかと思います。ヒアリングの問題は、答えの選択肢が成語や四字熟語という場合もあります。内容が聴き取れても、答えとなる成語、四字熟語などを知らなかったら解答できません。私は選択授業で成語や慣用句の授業を取っていたことがすごく役に立ちました。

独学されている方にオススメするのが『迷你廣播劇』です。このテキストは私も今、勉強していますが、内容がかなり面白い。親に結婚を迫られてて困っている、詐欺電話がかかってきたなど、ストーリー性が強いので楽しく勉強できます。


試験対策

そのほか、公式の試験問題集を解きました。私は語学が好きで、検定試験も何回も受けてきましたが、語学の検定試験については、模擬試験問題集などよりも公式の過去問・問題集を解くのが一番だと感じています。TOCFLの公式の問題収集は過去に何冊も出ているのでそれをまず解くのが一番です。2021年11月時点で4冊出ています。

こちらのHPからも購入できます。https://store.taiwan-ryugaku.com/


むしろ、公式以外のテキストは公式の試験問題と難易度や考え方などに若干ズレが生じることもあるようです。

TOCFL、特に流利級以上は、あまり良い専用のテキストが出ていないこともあり、公式の問題集を解くしかないとも言えますね。

2、ヒアリング対策

TOCFLの問題集を解く・聴く以外にリスニングに効果があったと思われるのが音読です。

語学学校に通っていたときは、基本のテキストである 『當代中文』 の音読(リピーティング)を毎日授業前の予習として行っていました。テキストの音声聞きながら、自分でも同じように音読します。授業で音読しないといけないので、ほぼスラスラ読めるまで、だいたい1時間くらい読んでました。

また、TOCFL対策の選択授業で、先生が読んで1分半くらいの文章を2分以内に読み、録音したものを提出するという課題がありました。少しでもつっかえたら、2分なんてすぐオーバーしてしまいますので、きちんとその発音を把握し、よどみなく読まないといけません。録音しながら読んでいくのですが、なかなか2分を切れず、2時間、ひどいときには3時間近く同じ文章を読んでいました。これは私にとってすごく大変でしたが、何度も読んでいるうちに文を自然に覚えてくるので、文法や単語が自分の中に入ってくる感覚がありました。話すための練習にもなるかと思いますが、聴き取りの方にも役にたったと感じています。

TOCFL対策の選択授業では、授業中に試験問題を解き、それについて先生が解説するのに加え、その日の内容をまとめたペーパー1枚の宿題もありましたが、この音読するという課題が実は一番TOCFL対策になっていたかもしれません。

リスニングの点数を伸ばしたいという方は、TOCFLの問題集のリスニングパートを音読してみてはいかがでしょうか?

ちなみに同様の課題は別の選択授業でもありました。 TOCFL対策というだけでなく、ヒアリングやスピーキングを鍛える意味で音読はすごく役に立つと思います。当時はすごく時間がかかって、でもなかなか上手くできなくて泣きそうになっていましたが。。

3、高階級から流利級までかかった時間

高階級に合格したのが2018年の11月、流利級に合格したのは2019年の5月。だいたい半年です。

その間、学期の合間のお休みを除いて毎日平均7〜8時間(授業時間含む)学習していました。つまり7時間×30日×5カ月(休み2週間×2を除く)で=だいたい1,000時間くらいでしょうか?土日は若干時間が少なくなりますが、趣味として台湾の映画を観に行ったり、ライブなどのイベントに行ったり、台湾のドラマやYoutubeを観たり、まあまあ中国語に触れていました。またテスト前には土日も勉強していました。

TOCFL対策として問題集を解いた時間はそこまで長くありません。当時出ていた3冊を解いたぐらいです。ただ、これまでにも書いてきたように 『當代中文』 での学習、選択授業など普段の授業そのものがTOCFL対策になっていました。

4、流利級だとどのくらい中国語ができる・・・?

個人的にはまだ全然満足できるレベルに無いなあ、というのが率直が感想です。

まず、合格した当時のヒアリングですが、日常生活(買い物・病院など)はそこまで困ることは無いです。でも、病院でも風邪などの場合は特に問題ないですが、ちょっと特殊な単語は学習していないため聞き取れなかったりします。たとえば、私は角膜炎をこじらせ、しばらく台湾で病院通いをしたことがありますが、「かさぶさ状になっている(結痂)」という単語を知らなくて、お医者さんにスマホで翻訳してもらったりしました。

買い物でも、ユニクロでばーっと返品についての説明をされると細かい部分は全部聞き取れてなかったりします。でも、だいたい返品について言っているな、というのは分かります。

ニュースは、字幕が無いとなんとなくの主題は分かるものの、詳細はかなり聞き落としていました。当時、語学センターの選択授業でニュースに関する授業を取っていましたが、何を言っていた?という先生の質問に対して、クラスメートがどんどん答えていくのに対して、私は簡単なことを少ししか答えられずに毎回、落ち込んでいました。

一方、読解ですが、先生がオススメしてくれた侯文詠という作家さんのエッセイ集『侯文詠極短篇』を読んだりしていました。


ちなみにこの本は、台湾の方が日常生活でも普通に使用する成語などが使われていて、そこまで難しくない上に、ユーモアにあふれる文章で、オチがしっかりあって、面白いです。

新聞の文章を読むのは少し難しいかな、という感じでした。

ライティングは、LINEなどでの台湾の方とまあ普通にコミュニケーションできるかなという感じです。一方、スピーキングは簡単なやり取りはそんなに困らないものの、複雑なことを話そうとすると、詰まります。ただ、 スピーキングについては母語でも話しやすい人と話しにくい人がいると思います。話が合う人とか、心許せる友達には比較的スムーズに言葉が出るところがあります。もちろん、台湾の方がこちらに配慮してくれているという側面があることは否定しません。

語学留学することを決めたときに流利級に合格できたらいいなと思っていて、合格できたのはすごく嬉しいですが、日常生活でも仕事でも全然まだまだなので、これからも勉強は続けていきます。

精通級はどうかな。かなり高い壁ですね。いつか越えられるといいですね。

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