HSK5級に合格するまでの勉強法

中国語検定と比べると、HSKはあんまり有名じゃないかもしれません。

私も長く中国語を勉強していますが、HSKを受け始めたのは、ここ数年のことです。

HSKとは、HSK公式サイトによると

中国政府教育部(日本の文部科学省に相当)直属の機関である「孔子学院总部/国家汉办」が主催し、中国政府が認定する資格です。(主催団体は、中国政府教育部 孔子学院总部/国家汉办)
そのため、HSKの成績報告は、中国国内だけでなく、日本国内、そして世界中で公的証明として活用することができます。

日本に限らず、世界中で通用するという意味では、TOEICとかに近い感じでしょうか。

日本で就職を考えるなら、中国語検定が一番馴染み深いですが、HSKも最近は知名度が上がっていますので、就職においても中国語力の証明となります。

就職に限らず、特に留学せずに日本国内で中国語を勉強しているのであれば、

ヒアリング力を上げるため、また、文法の知識を定着させるという意味でも検定試験を利用するのは、一つの効果的な方法ではないでしょうか。

中国語検定2級については、既に記事にしていますので、→中国語検定2級合格しました

TOCFL華語文能力測験についてはこちらからどうぞ

今回は、HSK5級について書いてみたいと思います。

最初に言っておきますが、HSK5級については、かなり泥縄式の勉強で、あんまり誉められた勉強をしていません。

なので、反面教師としていただくのがいいかと。。。

1、具体的な勉強方法

中国語の先生オススメのテキストを使って勉強していました。

やり方としては、ヒアリング、読解、作文、それぞれを解いてみる。

答え合わせして、テキストの解説を読んで、分からなかったところを先生に聞くという方法を取っていました。

試験対策を始めたのが試験の2ヶ月前で、本格的に取り組んだのが約1ヶ月前くらいです。

読解については、だいたい8割くらいは取れていて、そんなに問題はありませんでした。

なので、合格ライン180点を超すには、読解(閲讀)で80点、ヒアリング(聽力)で50点、作文(写作)で50点取ればいけるんじゃない??って軽く考えていました。

で、その後、澎湖で2週間プチ留学をした際に、12~13時間くらいの授業をHSK対策に当ててもらいました。

主に作文の問題を見てもらって、その後ヒアリングの問題で出来なかったところを教えてもらっていたのですが、

これがもう出来ないのなんのって。

先生に試験いつ受けるのって聞かれて?2週間後って答えたら絶句されました。

「まあ、1回で受からなくてもいいよね」的なことを言われた気がします。確か。

ヒアリング

まず、ヒアリングですが、聞き取れないのなんのって、自分でもびっくりです。

今なら理由が分かります。文法がよく分かっていませんでしたし、語彙が圧倒的に足りていませんでした。

読解は、漢字が分かっていれば、なんとなく意味が取れますが、ヒアリングはやっぱりちゃんと文法が分かっていないとつらいですね。

特に長文。

CDを聞く時間も全然足りてなかったのですが、澎湖での2週間の授業(1日4時間×10日)+台湾旅行で1ヶ月弱くらい台湾にいたので、

少しだけ耳が中国語になれていたかもしれません。

単語

このHSK5級のときは、単語はテキストに出たものを覚えていくということにして(実際はあんまり覚えきれていなかったという)、

単語帳を作ったり、単語集を買ってきて覚えるということはしませんでした。

で、あんまり聞き取れなくて、先生に出来なかった部分を報告するにしてもダメダメすぎたので、2回解いてそれでダメだったところを聞いたりしていました。

それでも結構出来ていなかったです。特に長文は聞き取れなくて、本番でもあまり自信がありませんでした。

作文

もう一つの問題だったのが、作文です。

作文の内容は下記のようになっていまして、語句の並べ替えと文章を作る2部構成となっています。

作文(HSKの公式サイトより

作文:40分
パート 形式 問題内容 問題数
第1部分 語句の並べ替え問題 与えられた複数の語句を並び替えて正しい中国語文を作る。 8題
第2部分 作文問題 (1)単語が与えられ、その単語を使って80字程度の中国語文を作る。
(2)写真が与えられ、80字程度で写真に関する中国語文を作る。
各1題

まず、並べ替えが既に結構ぐちゃぐちゃでした。

中国語のSVOに加えて、時間・場所の位置、複文など、文法が全くちゃんと入っていなかったです。

語順は今でも怪しいのですが(苦笑)、その後、先生も含めて台湾の人とLINEをするようになって、少しずつ文章を打てるようになってきました。

この時は、文章が全く作れず泣きました。

作文はもうあんまり出来ないので、ネット等で調べながら文章を作って、添削してもらい、

それを覚えることにしました。

ある程度、定形文を作っておいて、どんな写真や単語が来ても、こじつけて乗り切ろうという作戦です。

しかし、先生に「こんな難しいの本番で書けないんじゃない?本番ではもっと身近なテーマで書くといいよ」というまっとうな指摘をいただきます。

最初は、本当に文章が書けないので、テキストの答えを丸覚えしようかとも思いましたが、

使ったテキストの文章が高度すぎて無理でした。

回答例がすごすぎて、こんなの絶対書けないと泣きそうなりました。

が、もっと単純な文でもなんとか合格ラインには達します。

2、使ったテキスト

新漢語水平考試模擬試題集HSK5級(附MP3)(中国語)

↑ これは、実はあんまりオススメできません。

本番よりも難しい気がします。

また、ヒアリングとか、「えっ、それが答え??」っていうのもごく一部ですがあったり、

作文の例文がとにかく高度すぎて参考になりません。

解説も中国語でごくごく簡単なものですし。。

テスト後に日本国内で売っている公式問題集見て、こっちを使っておけばと後悔しました。

解説も日本語で、上のテキストよりはずっと丁寧です。

3、試験を受けてみての感想

テキストより少し簡単に感じました。

ヒアリングは1回しか読まれないのですが、TOEICとかと比べると比較的キレイに発音してくれて、スピードもそんなに早くないです。

その後受けたTOCFLの方が早くて、語彙が難しいなと思いました。

ヒアリングは7割取れていましたが、実感としてはもっとダメだったような感じがしました。

読解はやはりそんなに難しくなかったです。ただ、量が多いのであまり時間が余りませんでした。

作文については、あまり記憶にありません。。

ただ、指定された語句を使って書く問題では、一つ分からなかった語句があったように思います。

で、結果ですが、

ヒアリング70・読解90・作文67の合計227点です。

ただ、合格ラインの180点というのは甘すぎると言われているそうで、理想としては8割(240点)あるといいとか。。。

4、HSK5級レベルってどんな感じ?

なんとか泥縄式で180超えたものの、聞く力、話す力、読む力は本当にまだまだでした。

一応、簡単な受けた答えだと中国語で出来ますが、おしゃべりとか、そんなのはまだまだ。。。

旅行会話に毛が生えた程度でした。

文章もほとんど打てず、調べながら、LINEとかも打っていました。

(もちろん今も調べながら打つときはあります!)

今もまだまだですが、当時は中国語でコミュニケーションするには、かなり配慮してもらってようやくという感じでした。

もちろん今もネイティブの方に配慮してもらっていますが。。

5、HSK5級合格までの長いような短いような道のり

ここからは、個人的な中国語学習歴なので、お時間のある方はお付き合いください。

大学時代に1年間中国語を勉強してきて、中検3級に受かって、その後、気が向いたときにテレビの中国語講座を見るぐらいで、ほぼ放置していました。

この間10年くらい!!

数年前、契約職員のお仕事の契約終了が近づいてきて、契約終了時にこの仕事をする前と全く何も変わっていないってなるとイヤだなと思い、分かりやすくスキルアップした証として英語と中国語を頑張ろうと思いたちます。

で、とりあえずHSK4級を受けてみたら、受かりました。

確か、247点。

作文は、かなり適当でした。でも、HSK4級は作文が短文とかですごく短いので、なんとか大丈夫でした。

で、その1ヵ月後に台湾にプチ留学(授業を受けたのは、たったの10時間だけですが!)して、

そして更に2ヶ月後くらいから週1回台湾人の先生のマンツーマン授業を受けるようになります。

この授業ですが、当時はあんまり真剣に中国語を勉強することを考えておらず、旅行の時に自分のしたいことが出来ればいいなという程度でした。

なので、好きな飲み物の注文の仕方とか、レストランの予約の取り方、ホテルのチェックインのときの会話など、先生がオリジナルの教材を作ってくれて、それを勉強していました。

1年間大学で勉強したといっても、週1回でこちらも旅行会話中心でしたので、文法は今でも弱いです。

自分の言いなれていることはスラスラ言えるけど、ちゃんと話そうとすると語順がぐちゃぐちゃになるという。。。(泣)

で、週1回のマンツーマン授業にプラスして、基礎+発音を頑張ろうと思って、別の中国の先生の授業も受けることにしました。

その先生がHSK受けてみたらと言ったので、試験対策を始めたのがだいたい試験の2ヶ月前くらいで、

あんまりやる気もないまま勉強を始めたら、これが難しいのなんの。

HSK4級と5級の間の溝を感じました。

で、上記のような感じで勉強して、なんとかまあ合格ラインは超すことができました。

中国語の勉強を始めてHSK5級受かるまでに10年くらい(ほとんど勉強していない期間も含めたら)かかっていますが、

HSK5級対策に要した期間は約2ヶ月で、時間的には50時間くらいかと思います。

そんな長いような、短いようなHSK5級への道のりでした。

HSK5級とは関係ないのですが、すごくダラダラ中国語を勉強していて、どれくらい勉強しているの?って聞かれるとすごく困ります。

期間はやたら長いのですが、かけた時間が短いので、上達は遅いという。。

中国語学習サイトで参考にさせていただいている「中国語達人への道」によりますと、

中国の教育部(日本の文部科学省に相当)が主催するHSK試験では、400から2000時間の中国語教育を受けている者が初中級試験の対象者として、3000時間を越える者が高級試験の対象者として設定されています。

(中略)

仮に3000時間を基準として考えると、1日1時間で考えても8年以上かかる計算となります。

とあります。

1日1時間も勉強していないから10年以上かかるわけですよ。

その当時は他にすることがあって、中国語は趣味でしかなかったので後悔はしていないですが、我ながら効率悪すぎ。。。

ただ、私の先生がよく言うのは、それぞれの学習目的や学習リズム、自分にあったやり方があるから、無理強いは良くない、と。

あんまり優秀じゃないながらも、亀の歩みでも、なんとか続けてこれただけよしとしたいと思います。

サクっと短期でHSK5級に合格したい方、もしくはしっかり文法や単語を見につけ、力をつけたい方は、私のやり方を反面教師としていただければ幸いです。


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